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日本知財学会 第21回産業功労賞
日本知財学会では、知的財産分野における活動で顕著な業績があった法人を表彰するために、2004年に産業功労賞を創設しました。国内法人会員を対象に理事会で審査を行い、毎年表彰を行っています。
理事会での厳正な審査の結果、本年度の産業功労賞は日産自動車株式会社が選出され、2024年6月17日の総会で表彰式を行いました。
受賞法人 | |
日産自動車株式会社 |
受賞理由 | |
日産自動車株式会社は1933年の設立以来、「他のやらぬことを、やる」という精神のもと、時代に先駆ける革新的な技術や製品を生み出してきました。近年は、よりクリーンで安全、インクルーシブな、誰もが共生できる世界の実現に向けて、モビリティとその先を切り拓くことを目指し、自動車の電動化や知能化の分野でリーダーシップを発揮してきました。 自動車の電動化においては、2010年に発売された世界初の量産電気自動車「日産リーフ」をはじめ、現在に至るまで幅広い電動車を導入し、電動モビリティの普及に大きく貢献してきました。また、充電インフラの整備、生産のゼロ・エミッション化、電池の二次利用等、バッテリーを中心とした循環サイクルの構築にも取り組んでいます。 自動車の知能化においては、交通事故によって亡くなられる方をゼロにすることを目指すとともに、移動手段を多様化していくことを目指し、「プロパイロット」をはじめとする様々な運転支援技術を提供しています。 そして、これらの分野でのイノベーションを促進するための環境づくりや、そこから生み出される発明について、質の高い戦略的なグローバル特許ポートフォリオの構築を推進しています。 また、ブランドを支えるハウスマーク、車両モデル名称、先進技術名称等の様々な商標について、マーケット規模を踏まえた戦略的なグローバル商標ポートフォリオの構築を行い、模倣品対策にも積極的に取り組んでいます。デザイン部門が生み出す創造的で独自性のあるデザインについては、意匠権を取得し、第三者によるデザインの模倣を排除すべく、グローバル意匠ポートフォリオを構築しています。 さらに、知的財産を最大限活用するとともに、国内外の企業とのパートナーシップやアライアンスを強力に推進してきたことにより、経営に資する知的財産のあり方を体現してきました。 これらに加えて、日本知的財産協会(JIPA)、日本自動車工業会(JAMA)、国際知的財産保護フォーラム(IIPPF)などの諸団体での取り組みを通じて、自動車業界だけでなく産業界全体のための知的財産の普及・啓発、国内外における政策提言、社会課題の解決への取り組みなど、幅広い活動をリードしてきました。 以上のように、知的財産を重視した経営とスタートアップ支援活動、日本の産業界の発展に向けた尽力は、日本知財学会 産業功労賞に相応しい業績であると高く評価されました。 |