知財人財育成研究分科会
知財人財育成研究分科会 第21回例会のお知らせ
本分科会では、知的財産人財について様々な面より取り扱ってきました。そして、次世代の産業生態系を構想しながらビジネスモデル(商品形態、事業業態)やそれを支える知財マネジメントをデザインする「軍師」の育成の必要性について考えてきました。また、今春のシンポジウムや前回の学術研究発表会では、「被育成者の立場からみた知財人財育成」について議論してきました。そして、今回は、久々の東京分科会ということで、本分科会の妹尾主査が「知財人財育成のパラドクス」について問題提起を行い皆様と議論をしつつ進めたいと思います。
<知財人財育成の2つのパラドクス>
~ パラドクス1:権利化人材は権利化至上主義では育たない ~
~ パラドクス2:人財育成は、答えを教えないことから始まる ~
発明とは、新規性と進歩性の両方を問います。それを扱う知財関係者も、本来、新規性と進歩性を尊ぶはずです。にも関わらず、守旧的かつ前例主義の人たちが多いのは、なぜでしょうか?イノベーションは従来の産業生態系を脱構築することを言います。それに関わる知財関係者も、本来、モデルを創新することを尊ぶはずです。にも関わらず、知財人財のモデルを脱構築しようとしない人が多いのは、なぜでしょうか?
産業の多くが、ビジネスモデルの変容と多様化を加速化させています。それを支え、推進するべき、知財関係者もビジネスモデルを創新する価値を尊ぶはずです。にも関わらず、知財業務モデル自体は旧態依然とする人が多いのは、なぜでしょうか?
知財人財育成は、旧来のモデルである「技術起点型イノベーションモデル」、「古典的ビジネスモデル」、「独占的排他権による参入障壁モデル」、「出願権利化至上主義モデル」等々を前提にしている限り、その限界にあたってしまいます。これは、権利化人財の価値をあげるためには、権利化至上主義を脱しなければならないというパラドクス的状況が生まれるのです。
また、知財人財育成において、教わりたがりの知財関係者が、未だにあとをたたないのは、なぜでしょうか?イノベーションの時代に、知財村で「答えを教えて欲しい」と言う知財関係者が、あとをたたないのは、なぜでしょうか?次世代の知財人財育成には、自ら考え・自ら行動する人として自らを育てようとする人でなければなりません。また、既存モデルの階段を上る「熟達者訓練」の人財育成だけでは、従来モデルを超えようとする人財育成はできません。そのためには、「答えを教えるような訓練」をしてはいけないという、パラドクス的状況が生まれるのです。
会場参加の皆様と、大いに議論を交わし進めていきます。
なお、今回のスピーカーである妹尾主査が、内閣の知財戦略本部で「知財立国10年の総括と10年の展望を行うための「政策ビジョン検討ワーキング」の座長に就任されました。そこでの問題意識を紹介いただきます。お楽しみに。
【日 時】 2013年2月19日(火)18:30~21:00 ※受付開始18:00 (セミナーとセッション) |
【場 所】 弁理士会館 地下セミナールーム http://www.jpaa.or.jp/about_us/location/map_tokyo.html 〒100-0013 東京都千代田区霞が関3-4-2 電話:03-3581-1211(代) |
【テーマ】 「知財人財育成パラドクス:10年の総括と10年の展望にあたり」 |
【セミナー講師】 妹尾 堅一郎 氏 (本分科会主査:特定非営利活動法人 産学連携推進機構 理事長 一橋大学(MBA) 、九州大学、放送大学等の客員教授を兼務 CIECコンピュータ利用教育学会会長 内閣知的財産戦略本部 専門調査会会長、国際標準化戦略タスクフォース座長、他) |
【参加費(資料代・連絡費等)】 日本知財学会員 : 500円 非会員 :1,000円 |
【第21回例会の申し込み】 以下URLより必要事項を記入の上、申し込み下さい。 http://www.formzu.net/fgen.ex?ID=P14920137 申込締切:2月18日(月)20:00 (会場の都合により、先着50名とさせていただきます) |