分科会 Subcommittee

【会員対象】定例研究会

第33回定例研究会(ビジネスと知的資産・知財法研究分科会)
「著作権法の本質とオープン・イノベーションの手法-人とチームと文化を育み志を生む」

 第33回定例研究会は、ビジネスと知的資産・知財法研究分科会が担当いたします。
 当分科会では、2019年度の体制として、オープン・イノベーション、スタートアップについてワーキンググループを作り、活動をしていくことが決定され、その活動を開始しています。事業を成功させる上でオープン・イノベーションは重要な要素ですし、また、起業(スタートアップ)をするにしても、イノベーションは重要です。そこで、定例研究会においても、イノベーションに関連するテーマで開催することとしました。
 オープン・イノベーションや効率の良いスタートアップのためには、関与する人材の創発性を促進することが大いに望まれます。とはいうものの、その力を発揮するために、個々人の能力に任せるだけで良いのでしょうか。オープン・イノベーションの場では、さらに、個々人の創発性を発揮させるための工夫が必要となるのではないでしょうか。起業もまたしかりで、関係する人たちを巻き込んでいく力が必要なのではないでしょうか。
 今回お招きした成蹊大学法学部の塩澤一洋教授は、民法・知的財産法を専門とする傍ら、自らも写真家として創作活動もされています。大学の教育現場では、学生の自主的な研究活動をITの様々なツールを使って促進しております。教育現場で学生たちの創発性を引き出す工夫は共同研究活動やオープン・イノベーション他、共創の現場でも活用されることは疑いの無いところです。
 そこで、今回の定例研究会では、当分科会の研究テーマに沿った講演テーマを塩澤教授にお願いし、標記テーマによる研究会の開催が実現しました。詳細は、下記の内容をご覧下さい。著作権法の本質とオープン・イノベーションとの関係って何だろう?、人とチームと文化を育み志を生む方法ってどんな方法だろう? 興味を抱かれましたら是非ご参加ください。
 皆様のご参加お待ちしております。申し込み方法は、下記をご参照下さい。

【日 時】 2019年7月18日(木)19時~21時
【会 場】 アゴラ東日本橋(東京都中央区東日本橋3-4-10 アクロポリス21ビル4F)
       http://www.agora-h.jp/
【テーマ】
「著作権法の本質とオープンイノベーションの手法-人とチームと文化を育み志を生む」
【参加費】 無料
【参加申込】下記URLのフォームに必要事項を入れてお申込みください。
      https://forms.gle/xidJHBjp2YbJPbaE7
      なお、今回は定例研究会としての開催となりますので、
      日本知財学会会員(個人・法人・学生)の方がご参加頂けます。
【講演者】
塩澤一洋氏(成蹊大学法学部教授 / 慶應義塾大学総合政策学科、多摩美術大学美術学部情報デザイン学科、政策研究大学院大学、各非常勤講師 / 写真家)

1969年東京生まれ。慶應義塾大学経済学部卒、法学部卒、同大学院を経て2000年成蹊大学法学部に着任し、2008年から現職。民法、著作権法、法学教育方法論、ITの法学教育利用法が専門。法律の面白さと法体系の美しさを描き伝えるのがミッション。これまでに東京大学先端科学技術研究センター特任助教授、政策研究大学院大学客員教授、Stanford Law School, Visiting Scholar、The Center for Internet and Society at Stanford Law School, Visiting Fellow、成蹊大学法科大学院(ロースクール)非常勤講師、成蹊大学評議員、成蹊学園評議員、慶應義塾大学総合政策学部特任教授、金沢大学法科大学院(ロースクール)非常勤講師等を歴任。現在、著作権法学会幹事、日本私法学会理事。2015年度 成蹊大学ティーチングアウォード (教育活動顕彰) (STAR, Seikei Teaching Award Recipient)受賞。著書に『Legal Thinking Through Civil Law』Japan Jurist League for Cambodia / Cambodia National University of Management(クメール語版)、共著書に『DVD-ROMで学ぶ「知的財産」入門』Disc3「著作権法の概要」PHP研究所、『著作権法コンメンタール』勁草書房、『知的財産権事典』丸善株式会社など。月刊アスキーや月刊MacPeopleに連載していたコラムのうち「塩澤一洋の“Creating Reed, Creative Mass.──大公開時代の羅針盤”」は現在でもオンラインで公開中( https://ascii.jp/elem/000/000/136/136046/ )。1995年より東京YMCAにて野外教育キャンプの運営やボランティアリーダーの育成をするプログラムディレクターなどを歴任しヨット、アーチェリー、水泳、ピアノ伴奏などの指導者育成に携わる。写真家としては2005年から2007年にかけてAppleの故Steve Jobs氏を撮影した写真が日米韓で雑誌の表紙、記事、書籍などに掲載されているほか、各種セミナーの講師を務め、CP+では毎年SIGMA社のブースに登壇している。趣味はヴァイオリン、ピアノ、フルートなどのアドリブ演奏。
 【内 容】
 オープン・イノベーションの要素たる創発性が促進されるためにはメンバーに対してどのような働きかけが有効なのか。イノベーションという不連続性をいかにして日々の継続性から芽吹かせ、すくい取るか。まず知財制度の一翼を担う著作権法の理念と本質を掘り下げることにより創作的な価値観を明らかにしたうえで、人とチームと文化を育み志を生む具体的な働きかけや環境構築手法についてご紹介し、その有効性について検討を加える。講師は、東京YMCAのキャンプ運営スタッフとして30年近くボランティアで続けてきたグループワーキング、チームビルディング、コーチングの手法を学校教育に応用し、1998年以来、大学の授業とゼミで実践している。学生たちの積極的な参加意欲と創発性が目覚ましく、授業開始前に教室の前方5列が学生でうまり、授業中の問いかけに対して一瞬でおびただしい数の手が挙がって当てきれないのが悩み。教員到着前に学生たちが自主的にゼミを開始し、そのまま学生のみで90分のゼミが運営されるほど、自律的な文化が醸成されている。噂を聞きつけた社会人(プログラマ、医師、経営者など)が毎週のように見学に。一方、90年代から企業のオフィスIT化コンサルティングや各種の商用アプリの開発支援を行い、写真家としては2002年以降、複数のカメラメーカーにおける多数のプロジェクトに携わっている。IPAの未踏プロジェクトにも関わるほか、20年近くにわたってカンボジアの法整備支援活動を続けるなど、内外でオープンイノベーションの渦中にいる。